松田さん主催の「沢鏡会」(「能楽」に携わる、女性能楽師の技芸向上、伸展に寄与することを目的とした会を主催)は、 関連する他分野の文化と「能楽」を通じて、女流能楽師が様々な分野の方々と交流し、より能の世界への深みを感じ取って貰いつつ、芸を向上させて貰えるようにと活動されております。
松田若子さんとは学生時代からの友人。ここ数年、井戸の主催する古き良き「節供」を復元したいとの思いから、共に活動をしております。
数年まえに新作能「幽世(かくりよ)」を創作し、共に演じたり、また、能の世界に語られる深いモチーフを読み解くお手伝いをさせていただいております。
能という芸能が、本来の「祈り」であり、我々のあずかり知らぬ世界をどこか表出させる、そんな機能があることを常に感じております。
今回は芸能という点につきましては、
縦に天平(雅楽、正倉院復元楽器/竽の演奏)〜室町(能の仕舞)
横軸にシルクロード(岡野さんの演奏〜中国/呉服の織女〜日本の芸能)
天平から、室町、を通じて今に至る、という流れの中に
茶の文化もある、との見方もさせていただいております。
信楽という地は様々な物資がやってきたり、ここを通じて広がったりという側面があるという点でも面白いかと思っております。
松田さんには越前紙匠、岩野さんの復元奉書紙を着衣として貰います。
すべての魔を祓うとされた、最高の麻紙による、衣服はまさに呉服の織女の、舞うところに近いものを生じさせるかと存じます。
ちなみにこの麻紙は平成15年、名古屋大学との共同研究で作り上げたものです。。
井戸理恵子拝
沢鏡会HP:https://takukyokai.jp